アクティブマウンテンスタッフ旅行
日時:05年7月21?22日
目的地:アイガー山頂
参加者:タムラ、イワイ、リョウ、イワオ
21日 ツェルマット→フィスプ→ゴッペンシュタイン→レッチェベルグトンネル→
カンデルシュテーク→トゥーン湖→グリンデルワルト駅→クライネシャイディック駅→アイスメーア駅→ミッテルレギ小屋
22日 ミッテルレギ小屋→ミッテルレギ稜→アイガー山頂→南西稜→メンヒヨッホ小屋
7月21日、8時にツェルマットを車で出発。コッペンシュタインで車ごと列車に乗り込む。
カートレインだ。レッチェベルクトンネルを抜け、カンデルシュテークで降りる。
トゥーン湖の脇を抜けていく。ビーチでボケーっとするのも良いな。と思ったが口にす
るとお前だけ降りろ。と言われそうなので黙っておく。グリンデルワルト駅(1067m)で準備を整え、登山列車に乗り込む。途中皆から観光案内を受けながらクライネシャイディック(2061m)まで。ここで昼飯。ピザ風ロシティ(ジャガイモの細切りを焼いたもの)を食べる。
ここでアイガーを眺めるが雲行きが怪しい。曇っていて山頂どころか山の姿がよくわからない。そのまま列車に乗りアイスメーア駅(3160m)にむかう。
この鉄道はアイガー、メンヒと山のど真ん中をぶち抜いて造った地下鉄だ。途中の駅で降りることもできアイガー北壁からの眺めを楽しむこともできる。しかし今日は雲がかかり真っ白だ。
アイスメーア駅で降りる。ここにも窓があり観光客でにぎわうが列車が行ってしまうと我々だけになってしまう。ここでハーネスを装着し出口に向かう。出口の手前が凍り付いていてクランポンが必要なぐらいだ。ここでタムラさん転倒。写真を撮りたいがそんなことをすると自分も転ぶことになりそうなのであきらめる。
13時50分。曇っている。出口でロープを結ぶ。タムラ、イワオ組みとイワイ、リョウ組だ。
出口は岩と氷河の間が少し開いていて慎重に渡る。
クレバスの間を抜けていく、このあたりで数日前に日本人の3人組がクレバスに落ち一人亡くなっている。ミッテルレギ小屋の下から岩場に移る。ここからしばらく2級程度の岩場。しかし浮石が多くロープで落石を引き起こしそうで気を使う。小屋の手前100mほど雪が残っていたのでクランポンを装着。16時20分小屋に到着。
1921年にミッテルレギ稜から初登頂した槇有恒さんが寄付した、ミッテルレギ小屋は2001年に建て替えられてきれいな山小屋だった。山小屋を切り盛りしているのは20代前半のお姉さん2人きり。日本じゃ考えられないよな。と皆で感心する。
晩御飯前にビールを2本。値段も街のバーより安い。一本4フラン。
メニューはスープ、サラダ、マッシュポテトとひき肉のオーブン焼き。デザートにティラミス。本当におなか一杯になりました。
これで1泊55フラン。
おやすみなさい。イワイさんのいびきがうるさいのでお返しにおなら。
22日 5時00分起床。快晴、月明かりに照らされたアイガーがとても綺麗。
タムラさんが一言。
「計画どおりだな。」
朝食は5時20分から。他のパーティーと少しずつ時間をずらし朝食。昨日小屋に着いた順番で朝食を食べる。これは他のパーティーと出発時間がかち合わないようにするための小屋側の配慮だ。
メニューはパン2種類、ミューズリー、お茶、コーヒー、ミルク、オレンジジュース。
腹いっぱい食べることもできるがほどほどでやめておく。
名残惜しいが5時50分出発。
朝焼けに照らされながら稜線を歩く。だんだん険しくなり細く両脇が切れ落ちて高度感がある。蟻の門渡りってこれかぁ。と思わされる。
昨日の出発点のアイスメーア駅とトレースが見える。
途中20mほどの懸垂下降をする。我々のロープは30mずつなので2本をつないで下降する。
しばらくすると稜線の幅が広くなり壁になる。所々にフィックスロープが出てくる。
氷もところどころ薄く張っていて滑りやすく緊張する。時々氷がバラバラ降ってくる。
フィックスに頼りすぎると腕がパンパンになるのはわかっているが氷で足が滑るのでついつい使ってしまう。
ひたすら登っていると、雪稜に出る。ここでクランポン装着。11時40分。
雪稜を登り続けていると、これ以上高いところがなくなった。頂上12時30分。
10分ほど休憩しているとイワイ、リョウ組も上がってきた。皆で登頂を喜び合う。
しかしその頃から雲が上がり怪しい天気になってきた。下山を開始する。
西稜に二人分のトレースがあるがそちらは最近ガイドも行ってなく落石も多いという情報なので南西稜へ下降する。
クランポンをはずし降りていくと3回ほど懸垂下降が必要な場所に出た。問題なくこなしどんどんガレ場を降りる。降りきって雪稜の鞍部に出る。ここから登りだ。風も吹き始めあられも降ってくる。視界は50mぐらいになってきた。
途中クランポンを装着し雪と岩の混ざった稜線をいく。
するとまた本格的な登りがきた。あまりアイガーの登りと変わらないくらいの岩場だ。場所によってはアイスクライミング風に登る場所もある。気分が変わって楽しい。
しかしこれで終わりだろう、これで終わりだろうとピークらしきものを見て期待するが裏切られ続ける。こんなに偽ピークを喰わされたのはひさしぶりだ。
ようやくそれも終わり楽な岩場の下りに出た。その先が南アイガーヨッホ(3759m)
ここから氷河歩きだ。
トレースが別れていたので後続のイワイ組を待つが追いついてこないので道しるべを作って先に行く。本格的にあられが降り顔に当たり痛い。
クレバスが怖いのでロープを長めに出し張り気味で歩く。
突然霧の中からでかいクレバスが現れた。それを横目にみながら歩くとまたクレバスだ。今度はトレースを真横に横切っている。飛ぶしかない。飛べない距離ではないが踏みきりが雪なので不安定だ。イェーイと楽しみながら飛ぶ。飛び終わったらすかさず写真。
後はひたすら歩く。メンヒヨッホヒュッテが見えてきた。
ヒュッテ到着7時30分。後続をしばらく外の圧雪車小屋で待つが寒いのでヒュッテで待つことにする。
中は暖かく紅茶がおいしい。
もう最終電車が出たあとなので、どうするか考えるがそのまま小屋で泊まるか、トンネルをずっと歩いて帰るかしかない。トンネルを歩いて帰るのも悪くないなと考えつつ、小屋にいた日本人の人と話していたら、イワイ組が小屋に入ってきた。
彼らはすでに泊まる気満々だった。僕は明日仕事があるしトンネルも歩きたいと言うとタムラさんもじゃあ俺もということで下山することになった。
ここからが悪夢だった。駅のドアを開けトンネルのドアも開けヘッドランプを点け歩き始めた。はじめは探検気分でルンルンしていたが、延々同じ眺め。つらい。足もガクガク。後ろを振り返るのもこわい。途中アイガー北壁からの避難口を発見。のぞいてみる。当然何にも見えない。
結局駐車場に着いたのが夜中の3時。自分のバカさ加減と体力の限界が少しわかった気がした。
しかし、そのあとタムラさんは車を運転して帰ったのだ。もっと僕もバカに磨きをかけねばと決意させる出来事だった。
みんなはまねしないほうがいいよ。僕はもうやりません。
だけど楽しかったな。